米国での転職をして早1年と3か月が経過してしまい、このブログについても長らく停滞してしまいました。仕事に忙殺されてしまい自分の時間も整理できない状況が続いていており、自分のアウトプットの場を持つよう余裕もなかったのが事実です。以下、簡単にどんな転職活動を実施し、どういう結果に至っているのか、また現在の米国の労働市場について触れられればと思います。

そもそも、なぜ転職活動をしたのか

投資銀行に勤めて2年が経過し、最初の1年弱については低金利、株高の状況下に加え、COVIDからの反動を受けてM&Aが極めて活発な1年であったため、アクティブなディールだけで常に4,5件を抱えるような状況が続いておりました。事実、Learning Curveもきつく毎日てんやわんやしながら、いわゆる”投資銀行”らしい働き方をし、充実した日々を過ごしていたような気もします。

一方で、2022年に入り、インフレに伴う高金利、ロシアとウクライナの紛争に伴う株式市場の変調に伴いディールは激減し、ほぼ開店休業状態となりました。唯一のLead leftのディールも2月にコミットしたタームでのクローズとなったため、投資銀行としては大赤字ディールとなりクロージングしても誰もハッピーではないディールとなりました。

その後、10月と12月にレイオフが実施され、自主退職による自然減もあり当初30人いたチームは20名前後まで縮小しておりました(なお、レイオフの様子はドラマや映画で見る通りで、ある日MDの部屋に呼ばれて、そのまま自分の席に戻ることなく、退社させられておりました)。

自分としてこのような不安定な状況に置いておくのか、Promotionもしばらく見込めないなか次のキャリアの方向性を模索するか悩み始めて2022年年末に突入致しました。そのころから、米国でのスタートアップのポジションも応募し始めたり、いくつかLinkedinやヘッドハンター経由で応募し始めたのですが、のきなみHiring Freezeで面接が予定もされなくなっておりました。そんな中、現在の本邦投資家を相手にするアセットマネジメント会社から偶然声をかけて頂き、4か月ほどの面接を受けて今の会社に入社することになりました。

先月、久しぶりに元投資銀行の同期とキャッチアップしたところ、更にチームは縮小し、現在は15人と半減し、アソシエイトも半分、アナリストの新規採用も大幅縮小と聞き、あのままあの会社にいたとしても次は我が身であったのだなと再認識することとなりました。

現在の労働市場

米国の労働市場を見るうえでの主要な経済指標はUS Bureau of Labor が毎月発表する失業率、またはNon Farm Payrollとなりますが(以下)数字は強く、不景気とは?と思われるかもしれません。実際に、労働力不足が日本と同様米国でも生じており、インフレ(に伴うチップの上昇)を招いているのは紛れもない事実です。

<米国失業率>

出典:US Bureau of Labor Statistics

<Non Farm Payroll>

出典:US Bureau of Labor Statistics

一方で、私が見ている限りの労働市場は限定的なものの、友人と話す限りにおいては、レイオフの対象となってしまっているのはNice to HaveなかつMBA生が好むような職種のイメージがあります。

例えば、IT・Technologyの社内コンサルポジション、戦略企画、コンサルティング会社、投資銀行など、好景気においては必要とされるものの、景気停滞タイミングにおいては需要が限定的になってしまう、かつ比較的高給与な職種が該当している気がします。

従業員(Employee)でいる限りにおいて、いかに自分を会社に必要とさせるか(なくてはならない存在にさせるか)、とはいえ景気の波にのまれては致し方ないのだなという割り切りも必要だと学ぶ良い機会となりました。