Private Equity向けにLBOファイナンスやM&Aのアドバイザリー、IPO(残念ながら私は経験はないですが)のアドバイザリーを提供するにあたって、CIM(Confidential Information Memorandam)や、LP(Lender Presentation)、MP(Management Presentation)という30ページから150ページ程度の資料がセルサイドの投資銀行/クライアントから提供されます。

この資料で企業概要、マーケット分析、クライアント分析、経営陣の経歴など、読めば一通りターゲット企業やマーケットのことについては理解できるようになっている資料ですが、いつも私が注意深く読んでいるのはタイトルにある“Investment Thesis”のページです。

InvestopediaによるInvestment Thesisの定義を見ると、以下の通りになっています。

An investment thesis is a written document that recommends a new investment, based on research and analysis of its potential for profit

Investopedia

直訳すれば、投資家・デット提供者に対してPrivate Equity(Sponsors)が、なぜ投資をすべきかについて記載した文章となります。

マーケットに於けるこの会社の位置づけ、マーケットそのものの成長性、どのようにしてこの会社が提供するサービスや製品が他社との差別化を図れているか、この会社のMoatが何に基づいているかなどを凝縮したエッセンスが記されており、興味深いです。

私は、社内の投資委員会にて案件説明をする際に、方々からの”なぜこの会社に融資をするのか”、”この会社がOutperformしている理由は?”、
”このProjectionの定性的・定量的な根拠は?”といった質問に対応するために読み込んでいました。

(少し話が逸れますが、Moatとは?ということが気になる方は、DCMの原さんのブログが非常に分かりやすく網羅的に書いてあるので読んでみてください)

多くのディールを通じてCIM等を読み込む中で、Investment Thesisは大きく以下の8つに集約されることに気づきました。

以下、8項目に加えて、よく書かれているThesisに対するSupport Statementも記載しています。項目ごとにお互いにMutually Exclusiveなわけではなく、項目ごとに内容かぶってますし、必ずしも綺麗にMECEなわけでないと思います。

項目の平仄もあっているわけではないので、ロジカルかというと疑問ではありますが、一般的によく見られるものをまとめたものです。

少し字が小さくて恐縮ですが、今後株式投資や自ら起業をする際にVCやPE、ローン提供者が何を見ているかの参考になるかと思います。